「ゲーミングPC本体のみ」とは?
通販やBTOサイトでよく見る「本体のみ」とは、多くの場合で以下を指します。
- デスクトップタワー(ケース+内部パーツ一式)のみ
- モニターなし
- キーボード・マウスなし(または簡易付属のみ)
- スピーカー・ヘッドセットなし
- Webカメラやマイクなし
さらにBTO/ショップブランドの場合は、
- OSなしモデル
- Wi-Fi非搭載(有線LANのみ)
- スピーカー非搭載(本体から音が出ない)
なども混ざることがあります。
「届いたのに画面が映らない」「ネットにつながらない」「音が出ない」という話も聞きますが、本体不良ではなく想定不足であることがほとんどです。
ゲーミングPC本体のみで購入するメリット
1. 予算を「性能」に全振りしやすい
セットモデルよりも以下のようなパーツにお金を回しやすく、同じ総予算でワンランク上のスペックを狙いやすくなります。
- グラボ性能
- CPU
- メモリ容量
- SSD容量
2. 気に入ったモニター・デバイスを自分で選べる
- 144Hz / 240Hzゲーミングモニター
- お気に入り配列のキーボード
- 手に合うゲーミングマウス
- 好みのヘッドセット
などを別々に選べるので、長く快適に使える組み合わせを作りやすいです。
3. すでにある環境を活かせる
- 既に外部モニターを持っている
- PS5用に買ったゲーミングモニターがある
- キーボード・マウスを流用したい
こういった人には、本体のみ購入がもっとも効率的です。
注意点:本体のみ買って「遊べない」ことに注意
1. モニター問題:リフレッシュレートを活かせない
- 古いモニターが VGA端子のみ/HDMI1.0世代 だと、新しいグラボ端子(DisplayPort / HDMI 2.0〜)と相性が悪いことがあります。
- 高性能GPUを買っても、60Hzの古いモニターでは性能を活かしきれないことも多いです。
2. 入力デバイス問題:事務用だとエイムがつらい
- 付属の安価なキーボード・マウスや昔の事務用マウスは、以下でFPSやMOBAではストレスの原因になります。
- センサー精度不足
- 同時押し制限
- チルトや多ボタン非対応
3. サウンド問題:そもそも音が出ない/足りない
- 多くのタワーPC本体にはスピーカーが内蔵されていません。
- モニター側にスピーカーがあっても「音が細い」ことが多く、足音ゲーやVC前提のゲームでは不利です。
4. OS・ネットワーク問題
- OSなしモデルを選んでしまい、「電源は入るが何もできない」パターン。
- Wi-Fi機能非搭載で、有線LAN環境がなく困るパターン。
これらは購入前チェックでほぼ防げるので、次の章でまとめて確認していきます。
ゲーミングPC「本体のみ」を買う前に必ず確認したいチェックリスト
1. OSは入っているか
BTOでは「OSなし(自分で入れる前提)」構成もあります。初心者の方は必ず、Windows 11 Home / Pro など OS付きモデルを選ぶようにしましょう。
2. 出力端子とモニターの対応
- グラボ側:DisplayPort / HDMI のバージョン
- モニター側:対応端子/リフレッシュレート
- 例:フルHD 144Hzで遊びたい場合
→ モニター・ケーブルともに 144Hz対応か必ず確認します。
3. 必要な周辺機器がそろっているか
最低限これだけは揃っていないとゲームになりません。
| 必要度 | 周辺機器 | ポイント |
|---|---|---|
| 必須 | ゲーミングモニター or 対応モニター | 解像度+リフレッシュレート+入力端子をPCと合わせます。 |
| 必須 | キーボード | 最初は安価な日本語配列でOKですが、キー配列と同時押し性能を確認します。 |
| 必須 | マウス | センサー性能・持ちやすさを重視します。FPSならゲーミングマウス推奨です。 |
| 必須 | ヘッドセット or スピーカー | 足音・VCを使うならヘッドセット一択に近いです。 |
| ほぼ必須 | マウスパッド | FPS・TPSでの操作安定に直結します。 |
| あった方が良い | ゲーミングチェア・デスク | 長時間プレイなら快適性に効いてきます。 |
4. ネットワーク環境
- 有線LANで接続できるか
- Wi-Fiが必要なら「無線LAN内蔵モデル」か「後付けWi-Fiアダプタ」を用意するか
5. 電源容量と将来のアップグレード余地
- 将来グラボを載せ替えたいなら、余裕のある電源容量(650〜750W以上)とATXケースを選んでおくと安心です。
どんな人は「本体のみ」がおすすめ?
本体のみで買うのが向いている人
- すでに外部モニター・キーボード・マウスを持っている
- PS5や仕事用に買った144Hzモニターをそのまま使いたい
- BTOでパーツ構成を自分で考えるのが楽しい
- 周辺機器は別途こだわって選びたい
セット購入を検討した方がいい人
- 初めてのゲーミングPCで、必要なものがわからない
- 接続端子やOSに不安がある
- 「届いたらすぐ遊べる」ことを最優先にしたい
- 店舗サポート込みでまとめて相談したい
初心者の方は、本体+モニター+基本デバイスのスターターセットから入り、後で少しずつアップグレードしていく方法も十分アリです。
既存のモニターやデバイスは流用していい?
モニター
- フルHD 60Hz の事務用でも、カジュアル用途なら問題ありません。
- FPS・対戦ゲーム重視なら、後から144Hz以上のゲーミングモニターに乗り換えると体感が大きく変わります。
キーボード・マウス
- 事務用を一時的に流用するのはOKですが、エイムやキー操作に不満が出てきたら、先にマウス → 次にキーボードの順でゲーミングデバイス導入がおすすめです。
オーディオ
- モニター内蔵スピーカーは緊急用と考えた方が良いです。
- 足音ゲーやVCを使うなら、安価でもいいので有線ヘッドセットを優先すると快適になります。
よくある失敗パターンと回避策
失敗1:OSなし本体を買って「不良品だ」と焦る
→ 商品ページの「OS:なし」に気づいていないパターンです。初心者は必ずOS付きモデルを選びます。
失敗2:グラボは強いのに古いモニターで性能を持て余す
→ 144Hz以上対応モニターを検討するか、少なくとも遅延の少ないモニターを選び直します。
失敗3:Wi-Fiがなくてネットに繋がらない
→ 有線LANを使うか、PCIe / USBのWi-Fiアダプタを追加します。
失敗4:電源タップに高出力家電まで詰め込んで落ちる/熱い
→ ゲーミングPC用と暖房器具はタップ・コンセントを分けて使います(タコ足注意は別記事の通り)。
失敗5:設置スペースを考えずフルタワー購入
→ 本体サイズと「置き場所+配線ルート」を購入前にチェックします。








