ゲーミングPCの騒音はどのくらい?
騒音の感じ方を数値でつかんでおくと、「自分の環境は普通か異常か」が判断しやすくなります。
デシベルの目安
大まかなイメージです。
- 20dB前後:ささやき声より静か/深夜の郊外
- 30dB前後:静かな図書館、静音PCのアイドル時
- 40dB前後:静かなオフィス、少し風切り音が気になるレベル
- 50dB前後:普通の会話手前、「常にゴーッと鳴っている」と感じ始める
- 60dB前後:テレビ中音量・ドライヤーのかなり手前。静音志向だと厳しい
ゲーミングPCの音のおおよその大きさは以下になります。
・通常時:20〜35dB台
・高負荷ゲーム時:40〜55dB台
この範囲に収まっていれば「ゲーミングPCとしては概ね普通」と考えて問題ありません。
なぜゲーミングPCはうるさく感じるのか?主な原因
ゲーミングPCがうるさくなる原因は、次の5つであることが多いです。
1. グラフィックボード(GPU)のファン
- 高性能GPUは発熱が大きく、その熱を逃がすために複数ファンが高回転します。
- OCモデルや小型2スロットクーラーなどは特に高回転になりやすく、「シャーッ」「ブーン」という風切り音の主因になります。
2. CPUクーラー
- リテールクーラーや小型クーラーは、高負荷時に高回転で甲高い音が出やすいです。
- 大型空冷や簡易水冷に変えることで、同じ冷却性能でも回転数を下げて静かにできます。
3. ケースファンとケース設計
- 安価な小径ファン、高回転設定、スリットだらけのケースは風切り音が増えやすいです。
- 防音パネルや大径ファン搭載ケースなら、同じ風量でも騒音を抑えやすいです。
4. 電源ユニット・HDD・ケーブル干渉
- 古い電源や安価な電源はファン音が大きい場合があります。
- HDDは「カリカリ音」が出るので、静音重視ならSSD主体が基本です。
- ケーブルがファンに触れて「カラカラ」と鳴るケースも意外と多いです。
5. コイル鳴き(高周波音)
- グラボや電源の負荷時に「ジー」「ピー」と鳴る現象です。構造上ゼロにはできませんが、個体差が大きいです。
- 異常とは限りませんが、あまりに大きい場合はサポート相談も選択肢になります。
参考記事:【静音グッズ】夜中のゲーム中の声がうるさい!家族や息子の叫び声や奇声の対策
「うるさい」は普通?異常?判断基準
以下を目安にすると判断しやすいです。
正常と言えるケース
- アイドル時は「耳を近づけると聞こえる程度」または30dB台前半
- 高負荷時だけ「ファンが頑張ってる音」がするが、ゲーム音やヘッドセットでほぼ気にならない
- 回転音は一定で、「カラカラ」「ガリガリ」「キーン」といった異常音がしない
注意・対処を検討したいケース
- 常時、50〜60dB前後の音が出ていて、離れていても会話より目立つ
- 温度が高くないのにファンが全開(設定かセンサーの問題の可能性)
- コイル鳴きや金属的な異音が急に大きくなった
- ファンが回ったり止まったりを短い周期で繰り返す(制御カーブが極端)
静かなゲーミングPCを選ぶポイント(購入前対策)
最初から以下の点を押さえるとうるさくなりにくいです。
- 大きめのケース × 14cmクラスのファン
- 小さいケースほど熱がこもり、ファンが高回転になりやすいです。
- 静音志向のGPU・CPUクーラーを選ぶ
- レビューで「静音」「ファン停止機能」「低負荷時0rpm」あたりのキーワードをチェックします。
- 80PLUS認証以上の静音電源
- 準ファンレスや低回転制御のモデルは高負荷以外ほぼ無音に近づきます。
- SSD中心構成
- OSとゲームはSSDに入れて、HDDは必要ならデータ用に限定します。
- BTOの“静音モデル”や“静音カスタマイズ”を選ぶ
- 静音ケース、静音ファン、防音シートなどを一括で組んでくれるプランは実用的です。
今あるゲーミングPCを静かにする方法(すぐできる順)
ゲーミングPCを静かにする方法を実行しやすい順に並べます。
- 内部のホコリ掃除をする
- 吸気フィルター・ファン・ヒートシンクにホコリが詰まると冷えず、常に高回転になります。
- ファンカーブ(回転数)を調整する
- マザーボードのユーティリティやBIOSで、低温〜中温域の回転数を少し緩めるだけでも体感が変わります。
- PCの設置場所を見直す
- 壁に密着させない、足元で耳から遠ざける、共振しやすい棚から移動するだけで響きが減ります。
- 静音ファンに交換する
- 安価な高回転ファン → 大径・静音ブランドのファンに替えると、「風切り音」が大きく改善します。
- CPUクーラー・ケース・電源のアップグレード
- 本格的ですが効果も大。大型空冷クーラー+静音ケース+準ファンレス電源で一気に“静音ゲーミングPC”に近づきます。
- それでもダメなら:個体不良やコイル鳴きの可能性を疑う
- 特定の部位から異常な音がする場合は、購入ショップやメーカーに相談した方が早い場合もあります。
ゲーミングノートPCの騒音は?デスクトップとの比較
- ゲーミングノートは薄い筐体に高性能パーツを詰め込むため、負荷時のファン回転は高くなりがちです。
- 実測でも高負荷時に50〜60dB前後に達するモデルが多く、デスクトップ以上に「ブオーッ」という音が目立つケースもあります。
- 一方で、ヘッドセット前提であれば気にならない方も多く、「静音性を重視するならデスクトップ+静音構成」「省スペース優先ならノート」という住み分けになります。
ヘッドセット・イヤホン使用時に音はどれくらい気になる?
- ゲーム中にBGMや効果音を出している場合、40〜45dB前後のPC騒音ならほぼ気になりません。
- 50dBを超えてくると、スピーカー小音量派や深夜プレイで気になることが増えます。
- ヘッドセット・イヤホンを使うなら、多くの人にとって「PCの騒音<ゲーム音」となり問題になりにくいです。
よくある質問(FAQ)
Q. 買ったばかりのゲーミングPCがゲーム中にかなりうるさいです。初期不良ですか?
高負荷時にファン音が上がるのは正常な挙動です。
ただし、温度が低いのに常時爆音、金属的な異音、片側だけ極端にうるさいなどの場合は、配線干渉やファン不良の可能性もあるため、購入店やメーカーサポートに相談してみることをおすすめします。
Q. どのくらいなら“静音ゲーミングPC”と呼べますか?
目安としては、アイドル時で30dB前後以下、高負荷時で40dB台前半程度に収まっていれば、多くの人にとって“静か”と感じやすいゾーンです。環境音や個人差もあるので、あくまで一つの基準になります。
Q. 水冷にしたら静かになりますか?
簡易水冷はCPU周りのピーク温度を下げやすく、高負荷時のCPUファン音は減りやすいです。
ただし、ポンプ音やラジエーターファン音も加わるため、「必ず静かになる」とは限りません。静音重視なら静音空冷+良ケースも有力な選択肢です。
Q. コイル鳴きが気になります。対策はありますか?
負荷パターンを変える(フレームレート制限、垂直同期ON)ことで軽減する場合があります。
それでも大きい場合は、グラボや電源の個体差によるものの可能性が高く、販売店に相談して交換対応を検討する価値があります。





